Maybe
自分と他の誰かを比べて劣等感を感じてきた。
その度に、感情に向き合って自己解決を図ろうとしたが、いまいちうまくいかなかった。
うまくいかないのは信念や根性、性根が腐っていると思い、うさを晴らしに酒を飲みに出ては知らぬ他人と笑い合い、いい夜を過ごした気になっていた。
全てが無駄だとか、出会った人たちと過ごした夜が全て慰めの為だけの嘘だとは言わない。
しかしそういった楽しさが甘えにつながっていた。
バーをやっているのに絵のことを悩んでいた僕に、親父と慕うマスターはいった。
「お前はバーテンダーだろう。アーティストじゃないんだぞ。」
今の僕にはこう聞こえる。
「お前はもうバーテンダーじゃないんだぞ。今の仕事にもっと真剣に取り組め!」